卒業式・入学式で生徒がつけるコサージュにはどんな意味があるの?
学校の卒業式・入学式で生徒たちが身に着けるコサージュ。式典を彩るアイテムとして全国のほぼすべての学校で伝統的に使われています。この記事を読んでくださっているあなたも小学校、中学校、高校の卒入学式で胸にコサージュをつけたご経験があるのではないでしょうか。私もバラのコサージュや桜のコサージュを付けたことを覚えています。
さて、そんな日本ではとてもなじみ深い卒業式・入学式のコサージュですが節目の式典で身に着けることにどのような意味合いがあるのでしょうか?
本記事ではその謎を掘り下げていきたいと思います。
コサージュの由来
コサージュとは一般に洋服や襟元や胸、方などにつける花飾りのことを意味します。「History of the corsage」(外部サイトが開きます。)によるとその歴史は中世ヨーロッパまで遡ります。
「corsage(コルサージュ)」という言葉はフランス語で、もともとは「bodice(ボディス)」と呼ばれる15世紀にヨーロッパで女性が着用していた胴着を意味する言葉でした。当時、女性たちはその胴着に花を装飾して着飾ったのですが、その花飾りが胴着につける花束を意味する「bouquet de corsage(ブケドゥコルサージュ)」と呼ばれ始めます。そして時間がたつにつれてもともとの言葉が短くなり現在の「corsage(コサージュ)」という形で一般化しました。
当時のヨーロッパでは花で着飾ることには「病気や悪い魂を追い払う」「将来の安全や健康を守る」などの意味合いが含まれ16-17世紀にかけてコサージュは毎日つけられることもありましたが、時代の変化とともにコサージュは結婚式や卒業式などのフォーマルで重要な式典でのみ使われるようになりました。
卒業式・入学式で生徒がコサージュを付ける意味
コサージュは元来将来の安全や健康を守る願いが込められていますので生徒の新たな門出をお祝いし将来の後押しをする式典にはぴったりのメッセージが含まれたアイテムということです。
ここからは筆者の推察も入りますが日本の学校の制服はフォーマルなデザインが多く、卒業式や入学式などの特別な式典ではその装いにワンポイントを加え特別感を演出するという点、また、日本人が大切にする季節感を演出できるという意味合いでも相性がよく「卒業式・入学式には胸にコサージュ」という文化が定着したのではないでしょうか。
卒業式・入学式に相応しいコサージュ
それでは、どのようなコサージュが入学式・卒業式では身に着けるのに相応しいのでしょうか。結論としては決まりきったルールはないのですが、一般的にベーシックで生徒の制服にフィットするデザインが採用されることが多いです。具体的なデザインは各学校が伝統的に使ってきたものが採用されるか、その年の式典の進行をリードする入学・卒業学年の先生やコサージュ選びを担当される先生のご意向に沿う形で決められます。
ここからはプラスアルファのコサージュ選びのポイントとなりますが演出したい式典の雰囲気によって色や花の種類を変えてみるのもよいでしょう。例えば春の季節感を意識した式典を演出したい場合は薄いピンク(桜色)、入学式にハツラツとした雰囲気を添えたい場合はパッと明るいイエローなどが好まれます。
採用するコサージュにしっかりと意味をもたせることで入学式・卒業式がより特別な式典になるのではないでしょうか。
最後に
コサージュに込められている歴史的背景や元来の意味合いを知ると胸元につけるコサージュの意味合いもすこしだけ変わってくるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。